相続放棄したかどうかを確認する方法

文責:所長 弁護士 白方 太郎

最終更新日:2022年03月30日

1 相続放棄をした事実は公開されない

 相続放棄をする際は、家庭裁判所に対して、所定の書類を提出します。

 内容に問題がないと判断されれば、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が交付されます。

 これにより、相続放棄が完了します。

 相続放棄は、はじめから被相続人の相続人ではなかったことになる効果があります。

 しかし、相続放棄の手続きは家庭裁判所内で完結するため、戸籍に反映されたりすることはありません。

 つまり、通常は、相続放棄をしたとしても、自動的に他の人がその事実を知ることはないのです。

2 相続放棄をしているかの確認が必要なケース

 相続放棄をしているかの確認が必要なケースは、主に2つあります。

 1つは、他の相続人や次順位相続人が、自身の相続割合を確定させたり、そもそも自身が相続人であるかを確認するケースです。

 もう1つは、被相続人の債権者が、相続人と思しき人に金銭の支払等を求める場合です。

3 相続放棄をしているかを調べる方法

 上記のケースにおいて、相続放棄をしているかを調べる方法は2つあります。

 1つは、端的に、相続放棄をしているかをたずね、もし相続放棄をしているということであれば、相続放棄申述受理通知書のコピーをもらうというものです。

 とても単純ですが、実務上は良く行われます。

 特に、相続債権者は、相続人と考えられる人に支払いの催告書を送ることがありますが、その際、「想像放棄をしている場合には相続放棄申述受理通知書の写しを提供してください」という趣旨の文言が入っていることが多いです。

 もう1つは、被相続人の相続放棄を管轄する家庭裁判所に対して、相続放棄申述の照会をするというものです。

 被相続人の相続人と考えられる人の名前を家庭裁判所へ伝え、その人が相続放棄をしているか、回答を得ることができる手続きです。

 照会先の裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所なので、住民票除票や戸籍の附票で調査することができます。

 申立ができるのは、相続人や、債権者などの利害関係人です。

 債権者が、催告の前に事前調査する場合のほか、相続財産管理人選任申立ての際の資料取得のために用いられることもあります。

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